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【店長サナエの展示だより】牛乳と、家族の光景

カテゴリー: 2017-11-24更新

ナダールでは先週より、2017年めざせ個展グランプリ・井上亮写真展「牛乳と野菜ジュース」を開催してきました。たくさんのお客さまにお運びいただいてるこの展示も、とうとう会期終盤を迎えています。この展示をご覧いただけるのも、今日を入れて残り3日。名残惜しい…。

今日は、会期最後の週末を前に、今回の展示作品の中から私が特にお気に入りの1枚をご紹介します。

近藤牛乳と、家族の光景

毎日、何度も何度も展示会場をゆっくりと歩いて作品を眺めていますが、どうしても、この写真の前で長く足を止めてしまいます。ダイニングテーブルに載せられた牛乳と、そこに集う家族の姿を、低い目線から捉えたこの1枚。

展示だより/井上亮写真展

この1枚を表す言葉として、井上さんご自身は「牛乳のイメージ」とおっしゃっていますが、低いところから少し見上げるような角度と、何ということのない食卓の雰囲気、こちらの視線も存在もほとんど気にしていない家族の姿。毎日変わらずに存在しているものが今日も変わらずに存在している、という平穏な空気。「牛乳のイメージ」という言葉には、そういうものが全て含まれているのかもしれません。

幼い頃、私もこんな家族の光景を何度となく目にして日々を過ごしていた気がします。そんな日々を積み重ねていたことなんて、当たり前すぎていつもは忘れていますけれど。

お互いがそこに居ることを意識しなくても、無条件にそこに存在できる場所。それが家族の空間なんでしょうね。記憶の奥の方にある温かい何かが、微かにほわぁっと熱を帯びて、ホロリと泣けてきてしまいます。

井上さんに伺ったところ、この写真は、隣の部屋の布団の上に寝転がっていた時に、ふと思い立って撮ったものだそうです。しかも、PENTAX67Ⅱで。何もないような家族の日常を、あんなでっかいカメラで撮影している井上亮さんご自身の存在も、家族の当たり前の日常だということですよね。牛乳が欠かせない息子さんと野菜ジュースが欠かせない娘さんも、いつかPENTAX67Ⅱのシャッター音がする家族の光景を思い出したりするのかもしれませんね。

フォトブック『牛乳と野菜ジュース』もお見逃しなく

展示作品とは別に、この個展に合わせて作られた『牛乳と野菜ジュース』というフォトブックもあります。展示されている作品以外にも、たくさんの写真が掲載されていて見応えたっぷり。

展示だより/井上亮写真展 フォトブック

このフォトブックの中に何枚か“顔ハメ看板”のシーンが出てくるのですが、個人的にはこれもかなりお気に入りです。こちらは、思わずニヤリと笑ってしまうような面白いさ。ギャラリーにお越しの際は、ブックも忘れずにご覧くださいね。


井上亮写真展「牛乳と野菜ジュース」
2018年11月26日(日)まで、ナダールにて開催中。

OPEN 12:00 〜 CLOSE 19:00 (最終日は 16:00まで)
25日(土)と26日(日)は、作家在廊予定。

展示について、詳しくはこちら → ★

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