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【スタッフコラム】写真が思い出させてくれたこと
カテゴリー:スタッフコラム<店長・早苗久美子> 2020-04-22更新
こんな春になるなんて、思っていませんでした。
外出自粛のため、私も自宅で仕事をしながら、ほぼ家の中で過ごす日々。
一人暮らしなので、人と会話する機会は、
せいぜい週に1、2度のオンラインミーティングくらい。
近所を散歩したり、食料品の買い物に出掛けて気分転換をしていても、
自分も他の人もマスク姿で、会話も表情もほとんどありません。
仕方のないことです。今はみんなの我慢が必要な時です。
でも、少しずつ心の中に澱のように重苦しいものが溜まっていく感じがしてきます。
そんな気持ちを持ち直したくて、
何か元気が出る写真を待ち受けにでも設定してみようかと
何気なくスマホの写真フォルダをスクロールして見返してみました。
たくさんの雑多な写真が混ざる画面。
その中に、自分の笑顔を見つけました。
ナダールのお客さまやスタッフと一緒に笑っている自分。
誰かが撮ってくれた自分の笑顔。
写真の中の自分の笑顔は、不思議と自分自身を落ち着けてくれました。
それで、気づきました。当たり前のことなのですが、
自分の笑顔を自分で見ることができない、ということに。
自分の表情は、写真に撮ったり鏡に映したりしない限り、自分には見えません。
だから、人は、その時に向き合っている相手の表情や反応で、
自分の感情や笑顔を認識しているのかもしれない、と。
人とのコミュニケーションって、
そうやって鏡みたいに成り立っているのかもしれない、と。
今の状況は、そうしたコミュニケーションがとても難しくなっています。
マスクで覆われた顔、画面越しにしか顔を合わせられない友人たち。
それで、私は自分の笑顔を忘れかけていた気がします。
スマホの写真だけではありません。
お客様たちからいただいたプリントをまとめているアルバムも
引っ張り出して開いてみました。
何かの記念に撮った写真も、何気ない日常の一場面も、
どれもが懐かしく、あたたかく、心地良い。
アルバムにはそんな写真が詰まっていました。
写真があって良かった。
お腹の真ん中があったかくなって、勇気が出ました。
私と同じように、
写真があって良かったって思う人たちが、
きっと、たくさんいる。だから、頑張ろう。
そういう人たちが集まる場所を守ろう。
そんな勇気が出ました。
皆さんも、何だかちょっと辛くなったら、
自分の写っている写真を見返してみてください。
自分の笑顔と、それを見ていてくれた誰かの存在に気付ければ、
きっと大丈夫って、思えます。
(早苗久美子)