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ナダールのこと その4
カテゴリー:スタッフコラムスタッフ<オーナー・林和美> 2022-03-17更新
物件探し
30代前半、私にとっては、仕事に慣れてきて、自分の生き方についてもう一度考える年齢でした。
サラリーマンをしながら、いくつかの写真展を企画したり、参加したりしました。
そこでは、写真経験はもちろん、年齢や職業の垣根を超えた人たちとのつながりがありました。
そして、そういう人が集まる場所が心地よく楽しかった。
いつしか、なんとなく自分の場所を作りたいと思い始めていました。
場所を持つなら、何か特徴のある場所がいいだろうと考えました。
私が探した物件の条件は、2つ。公園の近くか、味わいのある建物。
アートの街とか、交通が便利とかは考えていませんでした。
会社帰り、一駅分歩いたり、休日公園近くをふらふらと散歩して、「テナント空室あり」の看板を探しました。とは言え、絶対にギャラリーやる!とか思ってなくて、いつかやりたいなぁくらいの感じでした。
地下の倉庫
半年くらいは探していたと思います。ある日の会社帰り、古いけどとてもいい感じの物件を見つけました。それが、大阪農林会館でした。
次の日、連絡を入れて見せてもらうことに。不思議なことに、そうするのが当たり前にように自然に電話していました。
通された事務所には、ミニカウンターバーがあったり、大きな木馬が置いてあったりと、ちょっと緊張する作りでした。(後日聞いた話しでは、任侠映画の撮影に使われたこともあったそうです。)しかも、「うちの社長が、もうすぐ来ますので。」と言われて、登場した社長さんが、オールバックに真っ黒なサングラス、片足を引きずる感じでした。(記憶の中で誇張されてるかも知れません。)これは、契約しないと生きて帰れないかも、、。浅はかな行動で命を落とす息子を許して、母さん。と思いました。
当たり前ですが、勝手な妄想は外れ、普通に空室を見せてもらい、家賃などの条件をご案内頂きました。家賃が合わないことを告げると、他にも不動産を持っていて、紹介出来る物件があるかもしれないから、何の商売をするかとか、家賃どれくらいなら出せるかなどを教えてみてと言われました。
希望の広さと家賃、ギャラリーをしたいので、日当たりはなくていいと伝えました。
「じゃあ、この地下の倉庫はどうだ?」と言われて、見せてもらった倉庫が、ナダールの始まりの場所となりました。