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Gallery写真展

「1+1=(いちたすいちは)」

「1+1=(いちたすいちは)」

■出展者 
さかいまみ、垣﨑さおり

■会期 
2018年7月25日(水)~8月5日(日)
open 12:00 - close 19:00 *最終日は16:00まで

展示について

ナダールでは、2016年9月〜2017年1月にかけて、写真家・宮下マキ氏を講師に迎えたワークショップ「女性のための写真表現講座」を開催しました。その修了生である、垣﨑さおり・さかいまみによる二人展「1+1=(いちたすいちは)」を開催いたします。

「人を撮ることを通して写真表現を見つめる。」それが、写真表現講座のテーマでした。ポートレートを撮ることの楽しさ、面白さ。そして、向き合うことの難しさに試行錯誤しながら取り組んだ5ヶ月の受講期間はもちろん、講座修了後も1年半余りに渡って継続して一人の被写体を見つめ、撮影し続けたてきた二人の作品をぜひご覧ください。

▪️垣﨑さおり「tvetydig」

友達になりたい…
ワークショップのモデルになって欲しいと頼み込み、その人を海へ誘った。
人を撮るということは、相手と、そして自分と向き合い、お互いに心地良い距離を探すことだと思う。
私は、昔からそれが苦手だ。
近づき過ぎるとぼやけて見えず、
離れるとどこかへ行ってしまう…
いつもこの繰り返しだ。
それがだんだん面倒になってきた時、ふと思った。
人との距離なんて、あいまいなくらいがちょうどいい…
この瞬間、その人と向き合うことを止めた。

今回の作品は、あえて人と向き合わずに人を撮るということをポラロイドを使って表現しました。

垣﨑さおり


※tvetydig:スウェーデン語で「あいまいな」「適当な」の意。

▪️さかいまみ「3月のさかなは海へはまだ還らない」

被写体は私の3番目の娘である。
写真を始めてから1度も家族を撮ったことがなかった。

元夫のモラハラ、親子間・娘三姉妹間の軋轢。家族というだけで妙な理想や期待を振りかざすこと、振りかざされることが嫌だった。直視するのもされるのも怖かったのかもしれない。だから1番近しい関係が写るであろう家族写真に興味を持てなかったのだ。

三女を撮るきっかけは元々お願いしていたモデルの方との予定が合わなくなり止むなくという背景があった。

直視したくなかったものを直視せざるを得なくなったことで私は彼女をまったく知らないことに気がついた。

着ているもの、持ち物や趣味。病気(パニック障害)で仕事に就けないこと、吐露する心情、数年前から居を別にしているため見聞きするものは初めてのことばかりだった。元々、家族だからといってすべてを知っている必要はないと思っていたし、それは今も変わらない。やみくもに手を差し伸べるのも違うと感じる。だが、こうして見続けることはできるのだなと思う。

彼女と私の唯ひとつの共通点、3月生まれのうお座であること。私たちには漠然と最後、海に還って行くのではないかという思いがある。
「3月のさかなは海へはまだ還らない」というタイトルは、生きる過程で足掻く彼女を見つめる私なりのエールのつもりだ。

さかいまみ

「垣﨑さおり・さかいまみ 二人展によせて」 講師・宮下マキ

写真でしかその相手と対峙できないのだ、と彼女たちはいう。
その対峙の仕方はまるで相反する。
被写体と空白の時間を埋めるかのように向き合い、その先に纏わりつく自身と向き合い、
踏み出せなかった一歩向こう側に生まれたポートレート。
被写体から一歩引いた距離感、いや、とてつもなく引いた距離感で
写らない何かを偶然と必然の間で切りとったポートレート。
顔や手足、極端にいえばそこに被写体は写っていなくても
見ているこちらは愛おしかったり切なかったり、クスッと愉快に感じる。
いちたすいちは、きっと2なんかじゃない。
その理由が、彼女たちの揺らぎの写真の中にはある。
まるでギャラリーで対峙するような二人の作品展「いちたすいちは」をぜひ見にいらして下さい。

プロフィール

垣﨑さおり

神奈川県出身
2010年頃より一眼レフカメラの写りに感動し、写真を撮り始める。
同時に、カメラによって同じ被写体でも写りが変わることに楽しさを感じ、表現したいことや被写体に合わせてカメラを使いこなせるよう、日々勉強中。

さかいまみ

2003年ごろより短歌を詠み始め、時に俳句、極々短い小説なども。
2009年より写真を始め、当初は短歌と写真を合わせるスタイルで個展やグループ展に参加。現在はスタイルにこだわらず、その時の最適解を以って各展示に臨んでいる。

・2013年
 公募セルフポートレイト展「私がわたしを撮る理由2」第3位
・2014年
 「InstagramersFile」作品掲載 「多重露光マスターガイド」作品掲載
・2016年
 JESCA日本イレイサースタンプ協会認定クリエイター取得
・2017年 studio344 設立

【講師プロフィール】

宮下マキ(みやしたまき)

鹿児島市出身。京都芸術短期大学映像科を卒業。スタジオアシスタントを経てフリーランスフォトグラファーへ。
1997年ガーディアン・ガーデン第10回ひとつぼ展グランプリ受賞。
2001年文化庁芸術家在外研修員として渡米。
雑誌、カタログなどにてグラビア、ポートレートなど幅広く活動中。
主な作品集に『部屋と下着』(小学館)、『short hope』(赤々舍)、『その咲きにあるもの」(河出書房新社)など。

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