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臼井 愛子写真展「ガウディに会いたい」

臼井 愛子写真展「ガウディに会いたい」

■出展者 
臼井 愛子

■会期 
2025年12月10日(水)〜12月14日(日)
open 11:00 - close 18:00 *最終日は16:00まで

■会場 
Nadar 東京/世田谷
東京都世田谷区世田谷1-41-2 スカイコート第3 108
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展示について

2025年3月に開催した「めざせ個展」にて、来場者投票1位となりグランプリを受賞された臼井 愛子さんによる受賞作品展。
ガウディ建築に見られる光と影、造形を撮り集めた作品。雑巾がけ技法(※)を施したプリント20点ほどを展示予定です。
ぜひご覧ください。

※「雑巾がけ」とは、主に大正時代に行われていた油彩絵具を使用する日本独自のピグメント印画法です。

■展示について(作者より)

2024年夏、サグラダファミリアの中に入り黄色い光を浴びたとき、真っ先に「やっと戻ってこられた」と思った。斜陽が黄基調のステンドグラスを通り、床を、柱をきらきらと染めていた。ずっとこれが観たくて、戻ってきたかった。塔に登り、降りてきてから閉館までそこにいた。
午前中に来れば、朝の光が青貴重のステンドグラスを通すと知り、滞在中にもう一度、今度は朝のチケットを取った。

2017年の夏、初めてサグラダファミリアの中に入り真っ先に思った。「この柱とか彫刻とか、プリントにして雑巾がけしたい…。」今思えばよくわからないまま、しかし真っ先に石に惹かれていたらしい。このときも5時間近くここにいてありとあらゆるものを撮った(撮らされた?)つもりだった。それでも帰国してから全然足りない、また行かなきゃと思った。二度目の今回も帰ってきて思うに、やはり撮らされているし、まだ足りない。多分、何回行っても足りないと言っている気がする。一生言っている気がする。

自分の手掛けている仕事の行く末を見られない、という点では私の仕事も同じだ。仕方がないとわかってはいても、少しさみしさも感じる。しかしガウディはサグラダファミリアの建築を「神は完成を急いでいない」と言い、急ぐでも慌てるでもなく後世にその先を託した。
思えばガウディ建築の未完の作はサグラダファミリアだけでない。住宅地や市場になるはずだった場所はグエル公園となり、地元民や観光客の散歩コースになった。工業団地の中に作ったコロニアグエルは地下聖堂だけが完成し、その上階は作られないままだ。どちらも最初からこうなるはずだったとでもいうかのように、そこにあり、訪れる人を癒したり、驚かせたりしている。

世界中から数多の人がその作品を観にくるこの現状をガウディが予測していたのかはわからない。ただただ神のためと考え、優秀な仲間たちと仕事に没頭していたのだろうとも思う。没頭する天才の残した仕事。キリスト教にも建築にも明るくない私でも、現地に立つと圧倒された。
ガウディに叱られたい。納得する物づくりに向き合う態度、神や自然に対する謙虚さ…そんなガウディの哲学にもっと触れたい、ガウディに会いたいと思う。

プロフィール

臼井 愛子(ウスイ ヨシコ)

東京都日野市出身
北海道帯広市在住
北海道教育大学大学院国語教育専修修了/京都造形芸術大学美術科写真コース卒業

きれいな風景を撮れるようになりたいと通信制の大学に入学したはずが、卒業制作以降、ヒトやら馬やら木漏れ日やらスナップショットやらを撮っています。どうも興味がまるっと逆の方向にきてしまっていますが、貴いと感じたもの、瞬間を残したいという思いはずっと変わらないと思っています。

[ 個展 ]
「輓曳 ―World's only horse racing-」 富士フィルムフォトサロン札幌(2016)
「さよならはるのひかり」 Roonee fine arts 247(2021)
「BLUEBIRD」帯広 ガレリアオリザ(2022)
「BLUEBIRD2」帯広 Flowmotion(2023)
「BLUEBIRD3」幕別 ギャラリーカフェ-Carita-(2024)

[ 主な活動歴 ]
金村修ワークショップ(2020)
『言葉の現在地 2017-2024』(北海道新聞社)表紙・扉絵採用(2024)
『青い落ち葉』(北海道新聞社)表紙採用(2025)

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