ナダールtop > ブログ > ナダールのこと その6
Blogブログ
ナダールのこと その6
カテゴリー:スタッフ<オーナー・林和美> 2022-04-13更新
オープニング写真展
ナダールのオープニング写真展は、立木義浩さんのオリジナルプリント展でした。
当時、「Natural glow」というモノクロ写真がメインの写真雑誌が刊行されており、そこで拝見したのが立木さんの作品でした。
元々、暗室好きでモノクロ写真をやっていたので、写真ギャラリーを始めるにあたり、モノクロ写真だけを展示するギャラリーでいこうかと考えた時もありました。なので、オープンニングはモノクロ写真でいきたいと思っていました。
もちろん、立木さんとは、面識もなく、コネもありません。
マスコミ電話帳を見て、直接連絡したと思います。
どういうわけか、そんなに緊張しませんでした。
独立したからには、同じ業界だし、同じ土俵にたって対等に話さなければいけないと、意気込んでいたからかもしれません。それよりも、まだ言い慣れない、「ナダールと申します」と言う方が、緊張しました。
この時、ギャラリーは内装工事もまだで、開業の準備は、一人暮らしをしていたワンルームマンションでしていました。9年間、サラリーマンをしていたので、平日の昼間に自宅にいることが、どうにも落ち着きません。収入もないし、確実に入ってくるという予定もなかったので、不安に押しつぶされそうになることもありました。
そんな時、たまたまテレビをつけたらやっていた、アニメ・アンパンマンのオープニング曲に勇気づけられたことも(笑)。
「♪そうだ おそれないで みんなのために 愛と勇気だけがともだちさ〜♪」
立木義浩さん
立木さんの事務所は、六本木にありました。
中に入ると、サイドボードにはいくつかのカメラが置かれ、額装した作品が壁に立てかけられていました。
壁にかけるのではなく、サイドボードに置いて飾る。
そのカッコ良さを初めて知りました。
お会いした第一印象も、とにかくカッコいい!でした。
白髪混じりの髪を短く整えられて、精悍なイメージでした。
私もこんな風に歳を重ねられたら、いいなぁ思いました。
華やかなお仕事をされているので、もっとタレントっぽい方なのかと勝手に想像していましたが、どこかシャイな昭和の職人のような雰囲気でした。
ギョロっと見られ、厳しい質問が来たと思ったら、今度は目線を外して、優しい言葉をかけて下さったり。
何の実績もない私に、とても丁寧に接して頂きました。
初めての写真展の交渉
大阪で写真専門のギャラリーを始めます。
ついては立木さんの作品でオープニング展をお願いしたいと伝えました。
すると、「ギャラリーなんても儲からないし、大丈夫?続かないよ。」と言った後、「どれくらいの枚数飾れるの?」「じゃあ、初期のモノクロプリントを送るから。額装とかは、そっちでやるんでしょう?」と次々に話を進め、いろいろと決めていってくれました。
今なら、もっとこちらからも希望を伝え、提案もしますが、この時はとにかく初交渉。そんなものかと、ご提案頂いた形で、そのままお願いすることになりました。
最後、帰り際。「そうそう、モニターある?展示枚数も少ないし、これ流しておきな。」とご自身が出演しておられたテレビ番組のビデオテープを渡してくれました。
「ま、がんばって」そう言うと、違う部屋へと行ってしまわれました。